「古い建物の一室を会議室に模様替えすることになり、手元の平面図をもとに、床材とブラインドの見積りを内装業者へ依頼する」という、事務仕事でよくある場面を想定して、HANETanni を実際に操作してみました。図面の寸法が「2間×2間」「3尺」「8畳」と尺貫法で書かれていて、そのままでは業者へ渡せません。先に結論を書くと、8畳は4坪ちょうどにはならず、画面には「4.00001815 坪」と出ました。この末尾をどう扱うかを決めるまでを、画面のまま書いていきます。
やること:尺貫法の寸法を、ミリと平方メートルに直す
図面に書かれていたのは、次の3つでした。すべて架空の想定です。
- 部屋の寸法:2間 × 2間
- 建具(窓)の高さ:3尺
- 広さの欄:8畳
床材はミリ、広さは平方メートルか坪で伝えるのが普通なので、この3つを直します。電卓で「1間は1.8メートルくらい」と覚えている数字のまま掛けると、桁の下のほうが合いません。図面から拾った数字なので、途中で丸めずに見たいところです。
① 分野は13個。まず「長さ」で1間を見る
HANETanniを開くと、上に分野のタブが横一列に並んでいます。数えると13個で、「画像・印刷/長さ/重さ/面積/体積/温度/速さ/時間/データ量/圧力/エネルギー/角度/燃費」でした。
「長さ」を選び、左の単位を間、右をミリメートル (mm)にして、値に 1 と入れます。ボタンを押す手順はなく、打った時点で右側が変わりました。
図面には 2間 と書かれているので、値を 2 にすれば直接出ます。今回は基準を1間で押さえておきたかったので、1のまま先に進みました。
② 下の表に、その分野の全部が一度に出る
変換パネルの下に「この単位でのすべての表し方」という表があり、いま入れた値が、その分野のすべての単位に直って並びます。右の単位を選び直さなくても、必要なものはたいていここに出ています。
ここで目に留まったのが、尺の 6.00000001 です。1間は6尺なので、本来は 6 とだけ出てほしいところに、末尾が1つ残りました。寸も 60.00000007 です。
③ 8畳は4坪ちょうどにならなかった
次に分野を「面積」へ切り替え、左を畳(中京間)、右を坪・歩にして、8 と入れます。
畳2枚で1坪なので、8畳はちょうど4坪のはずです。表の「坪・歩」の行にも、そのとおり「畳2枚」と注記があります。それでも 4.00001815 と出ました。
値を1に戻すと、1畳 = 1.6529 m²、坪では 0.5000022688 でした。つまり畳の側は 1.6529 というきりのよい4桁で持っていて、坪の側はそれを2倍した値とはわずかに違う、ということのようです。差は10万分の2ほどなので、実務では消える大きさですが、坪の欄に出た数字をそのまま見積書へ貼ると「4.00001815坪」と書かれた書類ができあがります。
ページの下にも「尺貫法の単位は地域や用途によって基準が異なる場合があります(畳の大きさなど)。取引や契約に関わる計算では、必ずご自身で検算してください」と書かれています。
④ 図面の「2間×2間」と突き合わせる
図面には寸法(2間×2間)と広さ(8畳)の両方が書いてあったので、突き合わせてみました。①で出た 1間 = 1.81818182 m を2倍して 3.63636364 m、これを二乗すると 13.2231405 m² になります(この掛け算はこのツールではできないので、電卓で出した数字です)。一方、③の8畳は 13.2232 m² でした。
| 出どころ | 平方メートル |
|---|---|
| 8畳から(画面の値) | 13.2232 |
| 2間×2間から(1.81818182 m を2倍して二乗) | 13.2231405 |
同じ部屋のはずですが、小数第4位から食い違います。差は 0.00006 m²、平方センチメートルにして0.6ほどで、床材の枚数には関係しません。図面の寸法と広さの欄は矛盾していないと確かめられたので、これで先へ進めました。業者へは 約13.22 m²(約4坪・8畳)と書いて渡すことにします。
⑤ 図面をA3で刷るときの寸法は、下の早見表で足りた
見積り依頼に図面を添えるので、A3で刷ったときの大きさも確認しておきます。変換パネルとは別に「用紙サイズ早見表」が常設されていて、分野の切りかえとは関係なく開けます。解像度を350 dpi(商業印刷の標準)に変えてみました。
解像度は 72/96/150/300/350/600 の6つから選べ、選んだ値が表の見出しにも出るので、どの dpi で見ている表なのかを取り違えずに済みました。向きを「横(ランドスケープ)」にすると、表の縦横がまとめて入れ替わります。
⑥ 閉じても、前回の分野と単位が残っている
作業が終わったあと、ページを開き直してみました。戻ってきたのは「面積」のタブが選ばれ、畳から坪への組み合わせと、入れていた値がそのまま入った状態です。早見表の解像度も350 dpiのままでした。
変換パネルの下にも「最後に使った分野・単位・入力した値は、この端末のブラウザに覚えておき、次に開いたときに引き継ぎます」と書かれています。同じ変換をくり返す日には手間が減りますが、前の人の設定が残っているように見える場面もあるので、共用の端末では注意がいります。右下の「はじめの状態に戻す」を押せば、覚えている設定を消して最初の画面に戻せました。
できなかったこと
| 江戸間・京間の畳 | 畳は「中京間」の1種類だけで、選び直せません。地域によって畳の大きさが違うことは、ページの注意書きにも書かれています。図面の畳数がどの間取りのものか分かっているときは、この換算をそのまま使えない場合があります。 |
|---|---|
| 寸法どうしの掛け算 | できるのは単位の変換だけです。「2間×2間」から面積を出す、といった計算はしてくれないので、④のように自分で掛けることになります。 |
| まとめて変換 | 入力欄は1つで、複数の寸法を一度に直す機能はありません。図面に20か所の寸法があれば、20回入れ直します。一覧をファイルに書き出すボタンもなく、あるのはコピーだけです。 |
| 桁の丸めの指定 | 「小数第2位まで」のように表示桁を指定する設定は見当たりませんでした。表示は自動で、③のように末尾が残ることがあります。 |
| 尺の種類 | 用意されている尺は1種類です(表から逆算すると 1尺=303.030303 mm)。別の基準の尺が使われている資料では、そのままでは合いません。 |
| 計算の履歴 | 変換した記録は残りません。覚えているのは最後の1件の設定だけです(⑥)。 |
逆に、単位の数そのものは十分でした。長さに寸・尺・間・町・里、面積に畳・坪・畝・反・町歩、体積に勺・合・升・斗・石、重さに匁・斤・貫が入っていて、今回の図面で出てきた単位は全部ありました。
データがどこにあるか
かかった時間
| やったこと | 時間 |
|---|---|
| 開いて「長さ」を選び、1間をミリにする | 1分 |
| すべての表し方を読んで、必要な単位を控える | 2分 |
| 「面積」で8畳を坪と平方メートルに直す | 1分 |
| 末尾が合わないのに気づいて、2間×2間と突き合わせる | 6分 |
| 用紙サイズ早見表でA3の寸法を確かめる | 2分 |
| 開き直して、何が残っているかを確かめる | 1分 |
画面の前での作業は13分ほどでした。変換そのものは合計で4分ほどで、残りは「4.00001815 とは何なのか」を確かめるのに使っています。ここを一度見ておくと、次からは末尾を見て迷わずに済みます。
次回への申し送り
- 尺貫法どうしの変換は、末尾が残ることがある。1間を尺にすると 6.00000001、8畳を坪にすると 4.00001815。ちょうどの数になってほしいところでは、自分で丸めてから書類に入れる。
- 書類に貼る前に、桁を決める。表示桁を指定する設定はない。「約13.22 m²」のように、渡す相手に合わせた桁で書き直す。
- 畳は中京間のみ。地域の違う図面では、畳数からの換算をそのまま使わない。寸法(間・尺)のほうから出すと食い違いが小さい。
- 寸法と広さの両方が書いてある図面は、突き合わせる。2間×2間と8畳が同じ広さになるかを見るだけで、図面の読み違いをその場で潰せた。
- 右の単位を選ぶ前に、下の表を見る。その分野の全単位が一度に出ているので、選び直す手間がいらないことが多い。
- 掛け算は自分でやる。面積を寸法から出すときは、メートルに直してから電卓へ。
- 共用の端末では「はじめの状態に戻す」。分野・単位・値が次に開いたときも残る。前の設定のまま打ち込むと気づきにくい。
- 紙の寸法は早見表で足りる。A3は 297×420 mm。入稿用のピクセル数が要るときだけ、解像度を350 dpiにする。

