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契約書の差し替え版が届いた — どこが変わったのかを、ページとテキストの2通りで確かめる

2026年9月8日 / はねつーる編集部 / 読むのに約7分

目次

「先方から契約書の差し替え版が届いたが、どこを直したのかは書かれていない」という、事務仕事でよくある場面を想定して、HANEPDF の比較と HANEHikaku を実際に操作してみました。使ったのは架空の業務委託契約書2ページ、第1版と第2版です。先に「どのページが変わったか」を見て、次に「何が変わったか」を読む、という2段構えにしています。結論から書くと、変わっていたのは4か所でしたが、そこにたどり着くまでに一度回り道をしました。画面のまま順に書いていきます。

やること:新旧2版のPDFから、変わったところだけを取り出す

手元にあるのは2つのPDFだけです。

  • 業務委託契約書_第1版.pdf(2ページ)
  • 業務委託契約書_第2版.pdf(2ページ)

本文に版数の記載はなく、メールにも「差し替えます」としか書かれていない、という想定です。紙に出して並べる方法もありますが、2ページとはいえ条文の突き合わせは目が滑ります。ブラウザだけでどこまで絞り込めるかを見ていきます。

① まず「どのページが変わったか」を見る

HANEPDFの比較を開きます(トップから開いたときは、上のタブで「🔍 比較」に切り替えます)。AとBの枠に旧版・新版を1つずつ入れて「比較する」を押すだけです。ページを画像として重ね、違う部分をオレンジで塗って左右に並べてくれます。

HANEPDFの比較モードで、契約書の第1版と第2版を並べ、変更箇所がオレンジで塗られた画面
上に2つのPDFの情報、その下に「⚠ 2 ページに違いが見つかりました(オレンジの部分が異なります)。」、さらにその下が②へ渡すボタンです。1ページ目は契約期間の日付・委託料の金額・支払期日の行・振込手数料の行の4か所だけがオレンジになりました。

上半分に出る情報も、この場面では役に立ちました。本文に版数が書かれていなくても、PDF作成日時・PDF更新日時・ファイル更新日時・ページ数が並ぶので、どちらが新しいのかを取り違えずに済みます。今回は「PDF更新日時」の行だけが左右で違う値だったためオレンジになり、Aが2026/08/26 14:12、Bが2026/09/07 10:35と出ました。ページ数はどちらも2ページです。

行が1つでも増えると、そこから下は全部オレンジになります:2ページ目がこれでした。第2版では条文が1つ増えているので、以降の行がすべて下にずれます。画像として重ねている以上、ずれた部分は「違う」と判定されるのが当然で、ページのほぼ全面がオレンジになりました。「このページは触られている」ことは分かっても、「何が変わったか」はここでは読み取れません。
2ページ目。条文が1つ増えたため、以降の行がずれてページのほぼ全面がオレンジで塗られている
2ページ目。増えたのは1条ぶんですが、それより下の条文がまるごとオレンジになります。差し替えが「増減をともなうか」を見分ける材料にはなりますが、読むための画面ではありません。

ここまでで分かったのは、1ページ目は4か所だけ、2ページ目は分量そのものが変わっているという当たりです。1ページ目はこの画面で足りるので、2ページ目を読むために道具を変えます。

② 「何が変わったか」はテキストで見る

HANEHikakuを開き、左(A)に第1版、右(B)に第2版を「📄 ファイルを開く」から読み込みます。PDFはそのまま渡せて、本文のテキストを取り出したうえで比較されます。読み込むと、ファイル名の横に行数と容量が出ました。なお、①の比較結果の下にある「📝 文字の違いを読む(HANEHikaku)」を押せば、同じ2つのPDFから文字を取り出して新しいタブへ渡してくれるので、読み込み直さずに済みます。

  • 左:業務委託契約書_第1版.pdf(47行 / 104.8KB)
  • 右:業務委託契約書_第2版.pdf(51行 / 111.9KB)

「⚖ 比較する」を押すと画面が切り替わり、右上に 12 差分/変更 8/追加 4/削除 0 と出ました。色は3色で、黄色が内容の違う行、緑が右にだけある行(追加)、赤が左にだけある行(削除)です。今回は削除0なので、消された条文は無いことがこの時点で分かります。

HANEHikakuで契約書の新旧を比較し、変更箇所が黄色、追加行が緑で色分けされた画面
比較直後。行全体が黄色く、その中の変わった文字だけがさらに濃くなります。左端の細い帯は文書全体のどこに差分があるかを示していて、1ページ目の中ほどと後半に固まっているのが見て取れます。

1ページ目の4か所は、文字単位まで色が付くので読み違えようがありませんでした。

第3条(契約期間)2027年3月31日 → 2027年9月30日
第4条(委託料)月額金 280,000円 → 310,000
第5条(支払方法)翌月末日まで → 翌々月10日まで
第5条(支払方法)振込手数料はの負担 → の負担

金額と期間は目立つので気づきます。今回いちばん見落としそうだったのは4つ目で、変わっているのは1文字だけです。紙を並べて読んでいたら通していたと思います。

③ 「差分だけ表示」にして、番号のずれと本当の追加を分ける

2ページ目に進みます。ツールバーの「🔎 全部を表示」を押すと「🎯 差分だけ表示」に変わり、一致している行がたたまれます(たたまれた場所には「一致する ○ 行を省略(クリックで展開)」と出るので、必要なところだけ開けます)。隣の「前後 3 行」で、差分の前後に何行残すかも変えられます。

差分だけ表示に切り替えた画面。条番号の繰り下がりが黄色、新設された条文が緑で並んでいる
差分だけ表示。緑の4行が第2版で増えたところで、「第8条(個人情報の取扱い)」が丸ごと新設されています。その下に続く黄色は、条文の中身は同じで番号だけが1つ繰り下がった見出し行です(第8条 → 第9条、第9条 → 第10条…)。左右で同じ条文が並んでいます。

12件の内訳を並べ直すと、こうなりました。

  • 1ページ目:変更4件 — 上の表の4か所。ここが実際に読むべき変更。
  • 2ページ目:追加4行(緑) — 左右の行数は47行と51行で、増えたのはちょうど4行。秘密保持に足された第2項と、新設された「第8条(個人情報の取扱い)」の見出し・本文2行です。
  • 2ページ目:変更4件(黄) — 4件とも第9条→第10条のように番号だけが繰り下がった見出し行です(第8条→第9条、第9条→第10条、第10条→第11条、第11条→第12条)。文言は変わっていません。
行が増えても、左右で同じ条文どうしが組になります:画面の30行目を見ると、左の「第8条(権利義務の譲渡禁止)」の隣には、右の「第9条(権利義務の譲渡禁止)」が並んでいます。増えた「2 前項の義務は、本契約の終了後3年間存続するものとする。」は、左に相手のいない緑の行として独立しました。左右を上から順に番号で突き合わせるのではなく、内容の似ている行どうしを組にしてから色を付けているためです。おかげで黄色い行は「番号だけが変わった行」として読めば済みました。

数字の上では12件ですが、読む必要があるのは1ページ目の4か所と、2ページ目で増えた4行だけでした。番号の繰り下がりが差分として並ぶのは、行単位で突き合わせている以上は避けられません。「差分の件数」ではなく「緑が付いた行」と「濃く色の付いた文字」から読むと早い、と分かりました。

うまくいかなかったこと・気をつけること

ページ番号やヘッダーも1行として混ざります:今回のPDFはページ下部に「- 1 / 2 -」というページ番号が入っており、これも本文の1行として取り込まれていました。今回は新旧で同じ文字だったので差分になりませんでしたが、総ページ数が変わる差し替えだと、中身が同じでもここが差分として出ます。比較条件に「ページ番号だけの行を無視」があるので、入れておけば「- 1 / 2 -」「1 / 2」「Page 1 of 2」のようなページ番号だけの行は差分になりません。日付やファイル名の入ったヘッダーはこれでは消えないので、その場合は読み込んだあとに左右のテキスト欄でその行を消してから比較します。

そのほか、実際に触って分かった線引きです。

レイアウトの違いHANEHikakuは本文テキストだけを比べます。フォント・文字色・表の罫線・画像の位置は対象外です。見た目の違いを見たいときは、①のHANEPDFの比較(画像として重ねる方式)のほうが向いています。2つを併用したのはこのためです。
スキャンしたPDF紙をスキャンしただけのPDFは、文字が画像として入っているため読み込めません。読み込ませると「文字が入っていないPDFです」と出て、文字起こしへの案内が表示されます。HANEPDFの「🔤 文字起こし」で範囲を選んでテキストにしてから貼り付けます(この機能はOCRのときだけ画像をサーバーへ一瞬送ります。後述)。
Wordの旧形式.docx は読めますが、旧形式の .doc は対象外です。読み込ませると「旧 .doc 形式は読み込めません」と出るので、Wordで .docx として保存し直してから読み込みます。
比較の条件は途中でも変えられます:入力画面と比較画面の下部に「大文字・小文字を区別しない」「行頭・行末の空白を無視」「すべての空白を無視」「ページ番号だけの行を無視」の4つがあり、切り替えるとその場で比較し直されます。上のページ番号のほかは今回使いませんでしたが、字下げの入れ方だけが違って差分が増えるときに効きます。

社内に回す

確認が済んだら、下部の「💾 保存する ▾」から出力します。並んでいるのは3つで、「📄 左を保存(.txt)」「📄 右を保存(.txt)」「🖼 比較結果を保存(.html)」。色分けされたまま残るのは3つ目なので、変更点を人に見せるならこれになります。HTMLファイルなのでブラウザで開くだけで、相手に同じツールを使ってもらう必要はありません。

なお、差分の行はその場で書き直せますし、「◀ 右を左へ」「左を右へ ▶」で片方の内容をもう片方へ取り込めます(「全部 ▾」でまとめて寄せることも可能。Ctrl+Z で戻せます)。ただし今回のような契約書では、こちらで文面をそろえてしまうと元がどうだったか分からなくなるので、比較結果の保存だけにとどめました。

最後は人が読む:ここで分かるのは「どの文字が変わったか」までです。その変更が受け入れられる内容かどうか、たとえば支払サイトが延びたことや負担者が入れ替わったことをどう扱うかは、ツールの外の判断になります。条件によっては社内の決裁や専門家への相談が必要です。差分の洗い出しを機械にやらせて、判断に時間を回すための道具だと考えるのが実際に近いと思いました。

データがどこにあるか

今回の作業は、どちらもブラウザの中だけで終わっています:HANEHikakuは読み込んだファイルをサーバーへ送らず、テキストの取り出しから比較まですべてブラウザ内で処理します。HANEPDFの「比較」も同じで、画面にも「🔒 比較もブラウザ内だけで処理し、サーバーには送りません。」と書かれています。
HANEPDFでサーバーを使うのは、(1)文字を保持した圧縮(2)Word変換(3)パスワード保存(4)スキャンPDFの文字起こし(5)ページに文字を追加・書き換えて保存するときの5つだけで、いずれも一時的に送るだけで処理後に削除されます。上で触れた文字起こしはこの(4)にあたるので、社外秘の契約書で使うかどうかは分けて考えたほうがよい部分です。プライバシーポリシーもあわせてご覧ください。
そのぶん、タブを閉じれば読み込んだ内容も消えます。作業を残したいときは、上の「保存する」から書き出しておきます。

かかった時間

やったこと時間
HANEPDFに新旧2つを入れて比較する1分
1ページ目のオレンジ4か所を確認2分
2ページ目が全面オレンジになり、読めないと分かるまで3分
HANEHikakuに読み込み直して比較1分
差分だけ表示にして12件を仕分ける6分
比較結果をHTMLで保存1分

画面の前での作業は15分ほどでした。回り道をした3分ぶんは、次からは省けます。

次回への申し送り

  • 順番を逆にしない。いきなりテキスト比較に入ると、レイアウトだけの変更(罫線や書式)を見落とす。ページの比較で当たりを付けてから、テキストで読む。
  • 「削除 0」を先に見る。条文が消えていないことが最初に分かるだけで、読む気持ちがだいぶ違う。
  • 緑の行から読む。件数ではなく色で見る。黄色には番号の繰り下がりが混ざる。
  • 1文字だけの変更を疑う。今回の「甲 → 乙」がそれ。金額や日付より、こちらのほうが見つけにくい。
  • ①から②へは、ボタンで渡す。ページの比較結果の下に「📝 文字の違いを読む」がある。読み込み直さずに同じ2つのPDFがそのまま渡るので、ファイルを選び直す手間がない。
  • スキャンされた差し替え版が来たときは、先にそれを言う。画像のPDFはそのままでは比較できない。文字起こしを挟むぶん手間も増えるので、可能ならテキストの入ったPDFで送ってもらう。

PDFの結合・分割・回転や押印まわりはこちらの記事に書きました。ほかのツールはトップページの一覧から探せます。

公開日:2026年9月8日 / カテゴリー:書類・PDF  / タグ:契約書、差分比較、PDF
この記事は、はねつーるのツールを事務仕事でよくある場面に当てはめて使ってみたものです。出てくる会社名・担当者名・書類・金額はすべてサンプルで、実在しません。画面はいずれも実際にツールを操作して撮ったものですが、仕様は改善にともなって変わることがあります。
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